By: Randy Robertson - CC BY 2.0

Xperia XZ F8332でFOMA音声契約SIMが使えることを確認しました

これまでにも DSDS 端末で ドコモの FOMA 音声のみ契約の SIM が使えるかどうかを確認してきました。

これまでに確認できた端末は、 Moto G4 PlusZenFone 3HUAWEI Mate 9 です。
全て FOMA 音声契約の SIM 1枚のみでは、通話はできなかったものの、他の SIM (解約済みや未契約の SIM でも可能)と一緒にセットすれば、 LTE 対応の端末でも FOMA 契約 SIM が利用できることを確認しています。

https://yuzakasota.com/20160823-motog4plus-fomasim-call-receive/

https://yuzakasota.com/20161121-motog4plus-zenfone3-how-to-foma-sim/

https://yuzakasota.com/20161217-how-to-use-foma-sim-with-huawei-mate9/

LTE 対応のドコモ販売版スマホや SIM が1枚しか入らない SIM フリー端末では、 FOMA 音声契約の SIM が使えないことからこれら DSDS 端末を使っての利用は一定の需要があると思います。

特にカケホーダイを必要としない家族内無料通話重視の方、 MVNO のデータ通信のみの契約で気軽に MVNO を渡り歩きたい方、会社から渡されているガラケーと自分のスマホを2台持ちしたくない方などには、 DSDS 端末が発売されたことに重要な意味があると思います。

今回確認した端末は、 expansys で購入した香港版の Xperia XZ F8332 です。

これまでの経験から、Xperia XZ F8332 でも FOMA 契約 SIM は問題なく使えると予想できましたが、念のための検証です。

いきなりの結論

結果から先に書きますと、 Xperia XZ F8332 でもこれまでの DSDS 端末同様に FOMA 音声契約の SIM と他にもう一枚 SIM をセットすれば FOMA SIM で通話ができました。
また、 SIM スロット 1 、 SIM スロット 2 どちらに FOMA SIM を入れても通話は可能でした。

検証結果

では、改めて検証結果を記載しておきます。

今回利用した SIM はドコモの FOMA バリュープランタイプ SS (無料通話1000円分付き)の音声のみ契約の SIM です。
i モードや sp モードは契約しておりません。

もう一枚の SIM は LINE モバイル( SMS 付き)データ専用契約の SIM です。

SIM1にFOMA、SIM2にMVNO

SIMスロット1 に FOMA SIM 。
SIMスロット2 に LINE モバイル SIM 。

をセット。

優先 SIM 設定は

モバイルデータ通信 LINE モバイル
通話 foma
メッセージ foma

と設定しました。

SIM1にFOMA、SIM2にMVNOをセットした場合
SIM1にFOMA、SIM2にMVNOをセットした場合

結果は下記のとおり、 SIM1 にセットした FOMA SIM で音声通話の発着信が確認できました。
また、 SIM2 にセットした LINE モバイル の SIM でネットを利用できることを確認しました。

SIM1のFOMAで発信中
SIM1のFOMAで発信中
SIM1のFOMAで通話中
SIM1のFOMAで通話中
SIM2のMVNOでブラウジング中
SIM2のMVNOでブラウジング中

SIM1にMVNO、SIM2にFOMA

続いては、 SIM を入れ替えます。

SIM スロット1 に LINE モバイル SIM
SIM スロット2 に FOMA SIM です。

モバイルデータ通信、通話、メッセージ( SMS )を SIM の契約内容に合わせてそれぞれ下記のように設定しました。

SIM1にMVNO、SIM2にFOMAの設定例
SIM1にMVNO、SIM2にFOMAの設定例

こちらも同様に SIM2 にセットした FOMA SIM での発着信、 SIM1にセットした LINEモバイル の SIM でのネットが利用可能でした。

SIM2のFOMAで発信中
SIM2のFOMAで発信中
SIM2のFOMAで通話中
SIM2のFOMAで通話中
SIM1のMVNOでブラウジング中
SIM1のMVNOでブラウジング中

アンテナ表示の本数が気になる?

気になるのは、アンテナ表示の本数でしょうか。

SIM フリー版の Xperia は 国内キャリア販売版の Xperia と比べて電波が弱いというような話しをよく目にします。

たいていは見かけ上である、アンテナ表示の本数だけをみて電波が弱い、掴みが悪いと言われます。

実際の電波の強度はこのような画面から、「 dBm 」という単位で比較可能です。

Xperia XZ F8332 LTEの電波強度
Xperia XZ F8332 LTEの電波強度
Xperia XZ F8332 3Gの電波強度
Xperia XZ F8332 3Gの電波強度

ところが、この電波強度の数値はキャリア販売版端末の場合、表示できないことが多いです。

ちなみに下記リンクは、 iPhone での各キャリア毎の「 dBm 」とアンテナ本数の関係です。

https://twitter.com/iPhoneWaza/status/819085070682058752

これは iPhone なので、「フィールドテストモード」というのを使い、電波強度を表示させることができています。
iPhone での電波強度を数字で表示させる方法は「 iPhone 電波強度 数値 」でググると簡単に出てきますので、確認してみてください。

グローバル版 Galaxy S7 とドコモ版 Galaxy S7 edge の場合

私は最後にキャリアの端末を購入したのが、 Galaxy S7 edge SC-02H ですがこの端末では電波強度の項目はありませんでした。

ちなみにこちらはグローバル版 Galaxy S7 SM-G930FD の「 SIM カードの状態」画面です。
こちらには、「電波強度 -97 dBm 」という値が載っていますね。

グローバル版Galaxy S7の電波強度
グローバル版Galaxy S7の電波強度

一方のドコモ版 Galaxy S7 edge SC-02H の「 SIM カードの状態」画面はこちらです。
ご覧のように「電波強度」に関する項目は無いんですよね。

ドコモ版Galaxy S7 edgeには電波強度の項目がありません
ドコモ版Galaxy S7 edgeには電波強度の項目がありません

端末が違えば電波を受ける能力も変わります。

また、上記の例でいうと同じ iPhone で、例え同じ電波強度の値だったとしてもキャリアによってアンテナの本数は変わります。

自分が今使っているキャリアがどこに行っても「アンテナが4本立ってる、5本だ」と安心するのではなく、実際の電波強度がどれくらいなのか数値で確かめる必要があると思います。

今回私が購入した Xperia XZ F8332 もキャリア版の Xperia XZ と比べると「アンテナの本数」が少ないと言われていますが、具体的な電波強度を数値で比較してみないと本当に掴みが悪いのかどうかは判断できないと思います。

ちなみに電波強度を数値で示すアプリを一つインストールしてみました。

https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.maruse.cellsignaldbm&rdid=jp.maruse.cellsignaldbm
(※上記アプリは 2018年1月10日現在 Google Play から削除されていることを確認しました)

このアプリで見た Galaxy S7 edge SC-02H の電波強度は「 -104 dBm 」でした。

ドコモ版Galaxy S7 edgeの電波強度をアプリで調べてみました
ドコモ版Galaxy S7 edgeの電波強度をアプリで調べてみました

Galaxy S7 SM-G930FD では 「 -97 dBm 」でしたね。

この数値は 0 に近いほど電波が強いということになりますので、「 -97 > -104 」という関係です。

つまり、アンテナ本数「4本」のキャリア版 Galaxy S7 edge SC-02H よりもアンテナ本数「3本」のグローバル版 Galaxy S7 SM-G930FD の方が実際は電波をよく掴んでいるということです。

それでも、実際グローバル版 Galaxy S7 が 3G WCDMA で使用可能な BAND は

3G WCDMA
S7 B1(2100), B2(1900), B4(AWS), B5(850), B8(900)

http://www.samsung.com/hk_en/consumer/mobile/smartphones/galaxy-s/galaxy-s7/more/#!/spec

とされており、ドコモのプラチナバンド 3G Band 6 ( 800 MHz 帯) が使えません。

ドコモのプラチナバンド、いわゆる「 FOMA プラスエリア」で音声通話ができなくなることから、グローバル版の Galaxy S7 は中国地方等に多い FOMA プラスエリアでの利用は難しいと思います。

下記リンク先で、県名を選んだ後に表示される画面で「 FOMA 」を選択すると、「 FOMA プラスエリア」が黄色で表示されます。

https://www.nttdocomo.co.jp/support/area/chugoku/foma/index.html

まぁ、結局はそういう地域に行かなければドコモのプラチナバンドが使えない端末でも支障がないとも言えるんですけどね。
ただし、 FOMA プラスエリアでない地域だとしても地下街やビル街など、 800 MHz 帯の電波を利用している場所もあるので、あるにこしたことはありません。

Xperia XZ F8332 が使える周波数帯( BAND )は?

ちなみに Xperia XZ F8332 では Band 6 に対応しています。

Xperia XZ F8332が使える周波数帯
Xperia XZ F8332が使える周波数帯

Xperia Z5 までは対応していなかったんですよね。 Xperia Performance から Band 6 に対応しています。

最後の方は脱線してしまいましたが、また一つ DSDS 対応機である Xperia XZ F8332 で FOMA 音声契約 SIM が使えたという話しでした。

「Xperia XZ F8332でFOMA音声契約SIMが使えることを確認しました」への6件のフィードバック

  1. いつも役に立つブログありがとうございます。
    いつぞや ZenFone3 でお世話になりました。ありがとうございます。

    FOMA 契約の為,ZenFone3 を買ったのですが,やっぱりあの大きさが許せません(笑)
    そこで,Xperia X Compact の SIM フリーでは FOMA が使えるかどうかを探していたところ辿りつきました。
    FOMA プラスエリアに対応しているとかどのサイトにも書いてますが,FOMA SIM が使えるという情報はないですねぇ….
    実際どうなんでしょうね?
    docomo 版は無理なのは分かりますが,SIM フリーは FOMA が使えるのか?
    推測ではどうですか?

    1. DSSさん、こんにちは。お久しぶりです。
      その後、 iPhone5s とは完全に縁切りできましたか?

      iPhone5s と SH-10D の2台持ちより、 ZenFone3 の1台持ちの方が充電の手間や毎回2台持ち歩くよりは身軽かなと思うのですが、それでもあの大きさが耐えられませんでしたか。

      「グローバル版 Xperia X Compact 」で FOMA SIM が使えるかどうかですが、これは使えないと思います。

      Dual SIM 端末ならまだ可能性はあったんですけどね。

      私がチェックしている2ちゃんねるの各スレでも、この端末で FOMA SIM が使えたという報告は、私の知る限りなかったと思います。

      通話用に使うには、端末は小さければ小さいほうがいいですからね。

      国内で正規に販売している端末としては、 HUAWEI nova なんていかがでしょう?

      http://consumer.huawei.com/jp/mobile-phones/tech-specs/nova-jp.htm

      Xperia X Compact の幅65mm には及びませんが nova は幅69.1mm です。( ZenFone3 の5.2インチ版は幅73.9mm )

      ホームアプリも標準のものは iPhone に近いんじゃないかと思います。
      (ドロワーがなくて、ホームに全てのアプリが並ぶタイプ)

      今のところ DSDS 端末の中ではこの端末が最小だと思います。
      まだ、店頭で触ってみたことがないようであれば、一度確認してみてはいかがでしょうか?

  2. アドバイスありがとうございます。
    やっぱり nova が最小ですか。でも nova の片手モードが….
    スリープすると元の大きさにもどってしまいます。ZenFone3 の片手モードが素晴らし過ぎて,ずっと4インチぐらいの大きさにして使ってます。
    nova も候補になるでしょうね。まだ ZenFone3 買ったばかりなのに….

    ちなみに iPhone は音楽専用で縁切りはないです。
    車とかで聞くのにも使ってます。そこに着信音が響くってのが考えられなくて。
    コンパクトで FOMA が使えるものが欲しいですね。

    1. DSSさん、こんばんは。
      返事が遅くなって申し訳ありません。

      novaも既に試していたんですね。
      とりあえず今は ZenFone 3 の片手モードで乗り切るしかないのかもしれませんね。

      ただ、いずれ DSDS から DSDA になれば FOMA SIM での運用は不可能になると思います。
      それまでに、 FOMA SIM の DSDS 端末での運用は見直さなければなりません。

      コンパクトさ重視という点ではガラケーに入れての2台持ちが安定。
      FOMA を捨てられるなら、 iPhone SE に一本化が今のところは最善だと思います。

    1. u3 さん、こんにちは。

      FOMA カードでのネットということですが、私はもう FOMA 契約を残していないため確認することができません。

      ググってみますと以下のサイトがヒットしました。

      http://androidlover.net/zenfone3-foma-sim#ZenFone3FOMA_SIM-2

      内容としては「 FOMA SIM をデータ通信用の SIM としてセットするとアンテナが立たなくなる」とのことです。
      スクリーンショットを見る限り、それは SIM を2枚セットした状態での検証でした。

      SIM 2枚挿しであれば もう一枚の SIM を通信用にセットすることで FOMA 契約 SIM の方を音声専用に使うことは可能ですが、 SIM 1枚では音声、通信ともに FOMA 契約 SIM は使えません。

      以上のことから、 Xperia XZ ( DSDS 版) では FOMA 契約 SIM カードは音声用として2枚挿しすれば音声通話は使えます。
      ネットには別途通信用の SIM を入れるか、ダミー SIM を入れて通信にはモバイル Wi-Fi ルーターや公衆 Wi-Fi 、家庭内で Wi-Fi 通信環境があれば通信が可能だと思います。

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