いやぁ、長かったです。
私のMacBook Proに不調が起こり始めたのが去年(2022年)9月ごろ。
具体的に言うとキーボードの主に子音(aiueo)に当たるキーがチャタリング(同じキーを複数回押したことになってしまう)を起こし、10月頃からはタッチバーが点滅を繰り返すようになっていました。
タイピングの際には誤字が起きていないか確認し、Macの画面で動画を見ている時などはタッチバーの所に厚手のハンドタオルを置いて点滅部分を覆って使っていました。
前回のMacBook Pro(M1 Pro、M1 Maxモデル)が発売開始されたのが、2021年10月。
私のMacBook Proの調子が悪くなったのが2022年9月だったので、そろそろ次のモデルが出る頃だと修理にも出さず、誤魔化しながら使っていたのでした。
目次
不具合の内容
キーボードのチャタリング
私が使用していたMacは2018年6月に購入したMacBook Pro 2017年モデル。
そして、翌2019年10月にはキーボード不良のため修理に出した経緯があります。
この時にはAppleの修理プログラムの適用があり、無償で修理してもらいました。
https://support.apple.com/ja-jp/keyboard-service-program-for-mac-notebooks
しかしこの修理プログラムは「その最初の小売販売日から 4 年間適用」とされており、私が購入した2017年モデルのMacBook Proの場合、発売開始日が2017年6月8日。そのため2021年6月頃までに不具合を申し入れないと無償修理の対象とはならないのでした。
2022年9月、チャタリングの不具合の件でAppleに問い合わせをしたところ、修理費用が9万円くらいと言われました。
私は次期Mac OS(現在のmacOS Ventura)が2017年モデルのMacBook Proで使える最後のOSバージョンになる(修理をしたとしても2023年の新バージョンには対応できない)こと、もうすぐ次期モデルが販売されるだろうということを理由に修理を見合わせました。
https://www.apple.com/jp/macos/ventura/
キートップの剥がれ
キーボードのチャタリングが起きる前後からだったと思いますが、キーボードの「T」の文字をタッチする時に違和感を覚えておりました。
キートップを爪先でなぞってみると、何が引っ掛かるものがあります。
凸であれば何かが付着したのかなと思ったのですが、爪楊枝でその部分をそっとなぞってみたところ、凸ではなく凹みであることがわかりました。
凸であればそのうち剥がれて平らになると思ったのですが、凹みであったので放置していましたら、下記のようにキートップの樹脂が浮き上がり剥がれてきそうになってしまいました。(写真を撮ってみたところ、隣の「R」のキーにも同様の現象が起き始めていますね)
タッチバーの点滅
泣きっ面に蜂とはこのことです。
さらに2022年10月頃からはタッチバー指紋認証の左側部分、幅約53mm(キーにして約4個分)くらいが点滅するようになってしまいました。
Googleで「macbook pro タッチバー 点滅」で検索すると同じ現象が多数起きていることがわかります。
そして先ほどのキーワードに「費用」も追加して検索すると以下のような記事が見つかりました。
https://note.com/wathew/n/n6de4fc984cbc
この記事ではタッチバーの修理はキーボード修理プログラムの対象とはならず、修理費用44,100円とのことです。
この現象の嫌なところはタイピングなど何か作業をしていて、タッチバーに機能表示がされている時には発現せず、YouTubeやプライムビデオなど動画を見ている時にタッチバーが点滅し出すところです。
常に視界の隅に入ってしまうので気になります。
昔、テレビの画面が激しく点滅して起きた「ポケモンショック」という社会現象があったことをご存知でしょうか?
https://ja.wikipedia.org/wiki/光過敏性発作
私はテレビを見ていてもなんとも思いませんでしたが、今回のタッチバーの点滅は目に入る刺激が大きくとても不快で、動画を見るときは点滅部分に厚手のタオルをかけて対処していました。
しかし、YouTube視聴などでは短時間にまたキーボードを使うことになりますし、指紋認証を使うたびにタオルを退かさなくてはいけないなど、とても使い勝手の悪いものでした。
対処方法として考えたこと
外付けキーボードを使う
最初に考えたことは新しいMacBook Proが発売されるまで外付けキーボードとノートパソコンスタンドを使うことでした。
しかし、私はMacBookの指紋認証を多用していて、社外品のキーボードを使った場合、指紋認証のたびに本体側のキーボードに手を伸ばすことが煩わしく感じました。
社外品ではなく、Apple純正のMagic Keyboardではどうかというと、私の使う2017年頃のMacBookはIntel製CPUであり、指紋認証付きのMagic KeyboardはAppleシリコン搭載機(M1以降)でないと使えないのでした。
https://www.apple.com/jp/shop/product/MK293J/A/appleシリコン搭載macモデル用touch-id搭載magic-keyboard-日本語jis
チャタリングのみの不具合であれば、外付けキーボードとノートパソコンスタンドということも考えていたのですが、タッチバーの点滅が起きてからはノートパソコンスタンドを使っても余計に視界に入ってしまうことになり、この対処案は不採用となりました。
M1モデルのMacBook Proに買い換える
最初にキーボードのチャタリング現象が起きてAppleサポートに電話し修理費用を聞いた時、私はサポート担当の方に「もし、おたく様なら今この現象が起きている時、9万円かけて修理に出しますか?」と聞いてみました。
サポートの人は「整備済み品なら比較的お求めやすく購入できます」という提案をしてくださいました。
しかし、私が今使っているスペックと同程度のものの商品は整備済み品といえども20数万円になります。
また、私も次のモデルがそろそろ出てくる時期であること。
今回のような不具合が起きた時、購入日からではなくそのモデルの発売開始日から何年という修正プログラムではモデル末期の時期に買うのは不利であることが気になりました。
そんなわけで修理にも出さず、外付けキーボードを買うこともできずに新しいモデルが出るのをずっと待っていたのでした。
新しいMacBook Proのスペック
今回私が購入したモデルは以下のようなスペックです。
そしてこちらはこれまで使ってきたMacBook Proのスペックとなります。
ディスプレイ 15インチから16インチへ
私は外付けディスプレイは使っておらず、MacBook単体で動画を見たり、音楽を聴いたり、ブログを書いたりするのに使っています。
ですから、画面サイズを今までよりも小さい14インチに落とすことは考えませんでした。
メモリ 16GBから64GBへ
メモリに関しては以前はWindows用の家計簿ソフトを使っており、そのためにParallelsという仮想環境アプリ上でWindows、そしてMac OSを同時に使うことがありました。
しかし、Windowsを使うのはその家計簿アプリ専用。
Parallelsを使い続けるには毎年5,000円くらいのサブスクリプション費用がかかります。
また、Appleシリコン上でのWindowsはARM版であり、更新もされなくなった家計簿アプリが使えるかどうか不明だったこともあり、家計簿ソフトを従来のWindows用ではなくクラウドベースのものに変更しました。
これまでのMacではたまにレインボーマークが表示されたことがありました。
それがParallelsという仮想環境アプリとMac OSを同時に使っていたためかはParallelsのサブスクリプションを解約したため現在では確認不能です。
ただし、アクティビティモニタで見ている限りではスワップ使用領域を数GB単位で使用していた(物理メモリ不足でSSDをメモリとして使う)ことはなかったと思います。
今回はキーボードの不調がなければまた5年(MacOSのサポート期間)ほど使うことになるため、メモリは2段階アップしました。
M2 MaxではM1 Maxの64GB上限から96GBに搭載上限量が増えていますが、私的に2のn乗(2、4、8、16、32、64、128など)にならない96GBメモリというのは24GBメモリのM2 MacBook Airなどと同じように中途半端な感じがして止めました。
ストレージ 2TBのまま変更せず
これは今、バックアップに使っているAirMac Time Capsuleの容量が3TBであること。Time Machine用に使っている外付けSSDが2TBであること。
本体ストレージの空き容量が500GB以上空いていたこと。
DropboxやiCloudなどクラウドサービスの上限容量が2TBであることなどから、2TBのまま変更しませんでした。
本体ストレージを上げるとバックアップ用のストレージサイズも増やす必要があります。
HDDという手段もありますが、一度SSDの速さを体験してしまうといくら安くてもHDDで数TBのバックアップや復元は実用的ではないと思いました。
また、今の私にはバックアップ用ストレージ4TB SSDに10万円近いお金を出すのはきつかったというのが本音です。
キーボード 日本語(JIS)から英語(US)へ変更
これは今回のキーボードの不具合中、外付けキーボードについて調べた結果です。
結果的に外付けキーボードを使うことはなかったのですが、タイプ音、タッチ感、特に一つのキーがダメになったとしても、キーボード全体を交換するのではなく、ダメになったキースイッチのみを交換できるホットスワップという機能に対応したメカニカルキーボードが魅力的に感じました。
しかしホットスワップに対応した外付けキーボードのほとんどは日本語JIS配列のものではなく、英語US配列のものです。
私は文章を打つ際にローマ字変換をしており、キーボード上の「かな」表記は不要です。
そんなわけで今回のMacで初めてUS配列キーボードを選んでみました。
早速、この記事をUS配列キーボードで書いているわけですが、これまでスペースキーの両脇にあった「英数」、「かな」キーがなく、文字の切り替えに戸惑っています。
とりあえず外部アプリは使わず、Mac本体のキーボードの設定で「caps lock」キーに「英字」切り替えを割り当てましたが、これまで「control」+「k」などでカタカナに変換していたものが「control」キーと「caps lock」キー」の位置の違いで思うように変換ができません。
「caps lock」キーに「英字・ひらがな」入力切替キー設定する方法は以下のサイトの記事を参考にしました。
https://ringo-bito.com/entry/mac-us_keyboard-input_source/
この設定で「caps lock」を「英・かな」入力切替に変更する選択肢としては、【オンの時「英字」を入力】と【オフの時「英字」を入力】の2通りあります。
私は普段、日本語を入力することがほとんどですので、始めは「caps lock」をオンの時「英字」を入力という設定にしていたのですが、この設定だとパスワード入力時に正常にキー入力できないことがあるそうです。
https://ringo-bito.com/entry/mac-us_keyboard-trouble_shooting/
そのため、「英・かな」入力切替に「caps lock」を使う設定は解除し、標準の「control + space」で切り替える方法に戻しました。
日本語JISキーボードにずっと慣れてきたので、それを1日で直すのは無理があります。文章を書きながら徐々に慣れていくしかありません。
セットアップ(移行)方法
新しいMacを開封後は電源とWi-Fiを接続し、最新のOSバージョン(13.2)にアップデート。
これまで使っていたMacBookから新しいMacBookへの移行には本体標準の「移行アシスタントアプリ」を使いました。
https://support.apple.com/ja-jp/HT204350
始めは同じネットワークに接続し転送する情報を選択する画面まできたら、Thunderbolt 4ケーブルで接続しました。
転送にはWi-Fiでの転送も可能ですが、利用可能な最高速度の接続が自動的に選択されます。
Thunderbolt 4接続で行った今回、1.17 TBのデータ転送に約42分かかりました。
転送中の残り時間は初めのうちは「27時間」などと表示されていましたが、転送が進むにつれ短くなりました。
画面上の転送速度は400MB/秒から最大600MB/秒くらいで変化していました。
転送するファイルサイズにもよりますが、サイズが大きい人は時間をお金で買うと思って転送速度の速い方法をお勧めします。
セットアップ後は画面上部のメニューバーの表示がこれまでの設定と変わっていたので、2台並べながら同じ設定に直しました。
それ以外の設定やアプリなどは従来の環境と同じようにコピーできていると思います。
このあたりはiPhoneの機種変更と同じで環境の復元に要する時間がとても短縮できて便利ですね。
性能比較
Disk Speed Test
MacBook Pro 2017
WRITE 1,958.5 MB/s
READ 2,141.7 MB/s
MacBook Pro 2023
WRITE 6,519.3 MB/s(3.32倍)
READ 5,344.1 MB/s(2.49倍)
かっこ書きは2017年モデルを1とした場合の倍率です。
CINEBENCH R23
MacBook Pro 2017
CPU(Multi Core) 4,433 pts
CPU(Single Core) 947 pts
MP Ratio 4.68 x
MacBook Pro 2023
CPU(Multi Core) 14,754 pts(3.32倍)
CPU(Single Core) 1,615 pts(1.70倍)
MP Ratio 9.13 x
現状の不具合?点
「e-Taxソフト(WEB版).app」がSafariブラウザを開くたびに以下のメッセージが表示されます。
“e-Taxソフト(WEB版).app”が悪質なソフトウェアかどうかをAppleでは確認できないため、このソフトウェアは開けません。
このソフトウェアはアップデートが必要です。詳しくは開発元にお問い合わせください。
下記リンク先から再度「事前準備セットアップ」ツールをダウンロードしてインストールし直しましたらSafari起動時のメッセージは消えました。
https://www.e-tax.nta.go.jp/e-taxsoftweb/e-taxsoftweb1.htm
しかし、「国税庁 確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「メッセージボックスの確認」をしようとしたところ、マイナポータルへのアクセスで以下のメッセージが表示されました。
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl
「カードリーダライタが認識できません。」
「ドライバに問題がないかご確認ください。ドライバを再インストールすることで、動作が改善する可能性があります。」エラーコード
EM140-1A10
私が使用しているカードリーダライタは「SCR3310」というもので最終のドライバソフトインストールマニュアルは2018年12月で更新が終了しています。
https://www.ntt.com/business/services/application/authentication/jpki/download2.html
とりあえず、ドライバを再度インストールして再起動してみましたが同じエラーコードで進みません。
解決策を見つけようと検索しているうちに下記のサイトが見つかりました。
https://yama-mac.com/m1_mac_etax_trouble/
これをみると
「公的個人認証サービス」の「JPKI利用者ソフト」を使うと、マイナンバーカードの内容(氏名や住所など)が表示できる
とありますが、下記アドレスを見て「マイナンバーカードに対応したICカードリーダライタの一覧表」を確認したところ、私が持っているカードリーダ「SCR3310-NTTCom」はM1チップへの対応がなされていないことがわかりました。
https://www.jpki.go.jp/prepare/history.html
かといって、新しいカードリーダを購入する必要があるか調べたところ、iPhoneをカードリーダとして利用する方法があることがわかりました。
https://www.e-tax.nta.go.jp/systemriyo/qrcode_login.htm
とりあえず、今年の確定申告はこの方法で試してみたいと思います。
まもなく確定申告の時期です。
新しいMacを購入して去年と同じ方法でe-Taxを利用しようとしても、推奨環境が最新のOSや機器に対応していない可能性があります。
早めに事前準備を進めておきましょう。