キャリアとMVNOのデータ繰り越しの違い

まだドコモで iPhone を取り扱っていなかった頃、海外版の SIM フリー iPhone を入手し、ドコモ回線で使っていました。
今日、その時にお世話になっていた人のブログにコメントを残したのですが、その内容をこの記事に再度まとめたいと思います。

キャリアのデータ量繰り越し

そのブログでは月平均 6 GB から 10 GB のデータ使用量を前提とし、初月 20 GB のデータ容量を契約。
翌月から月 5 GB の契約に変更し、不足分を初月 20 GB の繰越分でまかないながら、数カ月おきに20 GB 契約を行うというものでした。

https://web.archive.org/web/20180306034318/http://skyblue.ciao.jp/skyblue/?p=2785

しかし、この記事の内容には間違いが2つあります。

  • 繰り越しができるのは翌月までであること
  • 繰り越し分は当月分の契約容量を使い切った時に消費されるということ

このうち、二つ目の件に関しては過去にも少し記事にしたことがあります。

以下の記事の冒頭部分です。

https://yuzakasota.com/20180131-0sim-line-mobile-docomo-ocn-mobile-one-speed-test-result-january-2018-edition/

要は「繰り越した容量」がどの順番で消費されるのかという部分です。

ドコモの「パケットくりこし」

https://www.nttdocomo.co.jp/charge/new_plan/bill_plan/deals/
※2019年1月17日リンク切れを確認
https://www.nttdocomo.co.jp/charge/packet_service/deals/
上記リンク先に同様の記載を見つけました

利用データ量の消費順序

1.契約のパケットパックの利用可能データ量
2.ボーナスパケットの利用可能データ量
3.くりこし分の利用可能データ量/前月の追加購入データ量
4.当月の追加購入データ量

くりこし単位

1 GB ( 1 GB 未満の端数については、くりこしの対象外)

au の「データくりこし」

https://www.au.com/mobile/charge/data-option/data-kurikoshi/

利用データ量の消費順序

くりこしデータ容量は月間データ容量を使い切った後にご利用いただけます

くりこし単位

1バイト

くりこしの例(データ定額5 の場合)

1月(当月)の月間データ容量が 5 GB で、1月中に 3 GB しか使わなかった場合は、残りの 2 GB が2月(翌月)にくりこされます。
2月の月間データ容量 5 GB と合せて 7 GB が利用可能です。
ただし、2月のデータ容量は2月分の 5 GB から使用されます
その為、2月に 4 GB 利用した場合は、2月分の残りの 1 GB のみが3月にくりこされます。1月からくりこされた 2 GB はくりこしされません。
もしも、2月に 6 GB 利用した場合は、2月分の 5 GB を使い切っているため、3月にはくりこしされません。
1月から繰り越された 2 GB のうち未使用のものがあっても、3月(翌々月)には繰越しされません。

https://www.au.com/support/faq/view.k1581832639/

上記の説明は au のものですが、先の Skyblue さんのブログの内容と食い違っているのがわかると思います。

ソフトバンクの「データくりこし」

https://www.softbank.jp/mobile/price_plan/options/data-kurikoshi/

http://faq.mb.softbank.jp/detail.aspx?cid=80687&a=101&id=80687

利用データ量の消費順序

1.データ定額の基本データ量
2.前月からのくりこしデータ量
3.キャンペーン特典のデータ量
4.追加購入データ量

くりこし単位

100 MB ( 560 MB 余った場合、 500 MB をくりこし)

MVNO (格安 SIM )のデータ量繰り越し

MVNO からはちょっとググって出てきた3社について調べてみました。

mineo

https://support.mineo.jp/usqa/service/basic/data/4206864_8848.html

https://king.mineo.jp/helps/mineo/501
*2018年12月17日リンク切れ確認

利用データ量の消費順序

1.前月繰越・パケットシェア
2.基本データ容量
3.パケットギフト
4.パケットチャージ
※細かい順序までは記載がなかったので、チャットで回答をもらいました。

くりこし単位

1 MB
※サイト上に記載を見つけられなかったのでチャットで回答をもらいました

OCNモバイルONE

http://www.ntt.com/personal/services/mobile/one/function/carryover.html

利用データ量の消費順序

1.繰り越し容量
2.容量追加オプションにて追加した容量
3.基本通信容量

くりこし単位

1 MB
※サイト上には記載がありませんが、 OCNモバイルONEアプリ から判断しました

LINEモバイル

https://mobile.line.me/support/help/

利用データ量の消費順序

1.前月の繰越分
2.データプレゼント分
3.基本容量分
4.追加購入したデータ通信量分

くりこし単位

1 MB
※サイト上には記載がありませんが、これまで使っていた LINEモバイルのマイページの内容からから判断しました

MVNO のデータ繰り越し共通点

上記 MVNO 3社をみるとわかるように、繰り越したデータ使用量はキャリアと異なり一番最初に使われます。
また、繰り越されるデータ量も 1 MB と無駄なく繰り越されています。

一方、キャリアは常に当月分の契約容量から消費されます。

どちらが消費者にとって優しいかは言うまでもなく MVNO です。

また、今回 MVNO 3社のサイトをみて消費順序とくりこし単位を掲載しましたが、サイト上に記載がなかった場合、問い合わせがしやすかったのは mineo です。
有人のチャット対応なので、気軽に問い合わせができました。

https://mineo.jp/

一方、 LINEモバイル は LINE のトークで問い合わせることができるのですが、データベースのテンプレート回答以外はメールかナビダイヤルによる電話での問い合わせとなります。

https://mobile.line.me/support/

OCNモバイルONE もチャットですが、オペレーターとのチャットではなくシステムによる自動返答です。
そのため、定型的な問い合わせ以外はチャットでは対応できず、

http://www.ntt.com/personal/services/mobile/one.html

最終的には電話での問い合わせとなります。
ただし、携帯電話からも無料でかけられるフリーダイヤルとなっているところが救いです。

http://www.ntt.com/contact.html

このあたりはさすが NTT Communications と思わせられる点です。

データ繰り越しに頼らない容量契約を

今回はキャリアと MVNO のデータ繰り越しについて調べてみました。

印象としてキャリアの繰り越しはおまけみたいな扱いであり、当月分を使い切ってしまった時に先月分が残っていたら儲けものといった感じです。
一方 MVNO は繰越分から使われることから、人によっては毎月繰越分の範囲内で足りてしまうこともあるように思います。
その場合、一段階下の契約容量を検討してもいいと思います。

ただ、一番容量の少ない契約でも余ったり、月の途中に思わぬ容量を消費してしまった場合を考えるとやはり MVNO が採っている繰越分からの消費は嬉しいものです。
今後、キャリアが MVNO を見習って繰越分からの消費に変更してもらえたらなと思います。

「キャリアとMVNOのデータ繰り越しの違い」への2件のフィードバック

  1. キャリアはどこまで薄汚い商売ができるのか呆れ果てますね。
    繰り越し分が後で消費されるのに繰り越しOKと言えるとは図々しいにもほどがあります。
    私はDSDSスマホにソフトバンク通話SIMとmineoデータSIMを挿して使っており、間もなくソフトバンクの更新月になります。
    今度はMNPでドコモFOMA契約する予定です。
    タイプSSバリュー+ひとりでも割50だと1000円程度の料金で繰り越しもできる1000円通信料が付いており、電話での通話をしなくなった(通話アプリでOK)ので、このプランが自分には最適です。
    mineoでは最少の500MB契約ですが、パケットギフト制度のおかげで20GB以上も保有できており、キャリアでのボッタクリとも言えるパケット料金には本当に腹が立ちます。

    1. キャリアをぶっ潰せ!さん、コメントを残してくださってありがとうございます。

      キャリアをぶっ潰せ!さんがおっしゃるように、 DSDSスマホにキャリア契約の通話専用SIMとMVNOのデータ用SIMの2枚挿しがコスト的には一番安く使えると思います。

      私はiPhoneを通話用にも使いたかったのでFOMA契約からXi契約に変更してしまいました。

      キャリアをぶっ潰せ!さんはソフトバンクからドコモFOMA契約にMNPされるようですね。
      ドコモのFOMA契約音声SIMはLTEの使える端末にSIMを1枚だけ入れると、通話もできませんのでご注意ください。
      また、最近のHUAWEI端末のようなDSDV端末にはSIMを2枚入れても、FOMA契約音声SIMでは通話ができません。

      DSDS端末で希望する端末があるうちはいいのですが、ゆくゆくはDSDVが主流になっていく事でしょう。
      それまではうまくFOMA契約を利用してください。

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